日本でもオンライン大学が、最近注目されつつあるようですが、アメリカでは過去10年間、瞬く間に玉石混淆で増え続けています。
優れている有名大学のオンライン教育では、無料、有料問わず、質の高い教育がなされていますが、このドキュメンタリーで紹介されているような大学は、多額の広告費を使って宣伝するなどし、近年名が広まっていても、入学を検討している人達は要注意です。
大学機関が、従来の専門分野への学問追及の場から、職業訓練校的な、就職するための予備校化するに従い、多額の借金を背負ってまで、大学に進学する傾向が年々強まり、同時に、近年の経済変化(生産業やサービス業が他国へ流れたことや、経済ショックなど)から、これまでなら中高卒業レベルで見つかった工場の仕事や事務職がなくなり、大学進学を全く考慮に入れていなかった人までもが、多数、大学に通うようになりました。
従来の大学機関では、増え続ける希望者全員を受け入れることはできないため、その入れない人々を対象に、この分野に投資をして儲けようと試みる起業家が、新興の大学やオンライン大学を創設し、その数、年々増加の一途です。
しかし、大学の意味が、知識を追及する場から、利益優先に変わった場合、一人一人に値札が付けられ、生徒を一人でも多く入れることが重要となり、在校中の教育の質や生徒へのメインテナンス、卒業後のことは、最初から念頭にない、ということすら起こりがちです。
本来、教育とは通過して、卒業証書を得ることに意義があるのではなく、優れた教師から学び、理解し、それを次の段階に持っていくことに意義があると思います。
上記のような、ローンを組みさえすれば、誰もが簡単に入れる大学は、コンビニエンス・ストアやファースト・フード・レストランのように、出入りが簡単で、便利ですが、その学校に於いて、生徒が本当に意味あるものを得られるのかどうか、宣伝文句や噂話に惑わされずに、自ら情報収集をし、きちんと判断された上で入校の決断をすることが大切です。
卒業証書を手にすれば、高収入の仕事が得られると思い、こうした大学に入学する人達が殆どですが、実際には、その学校を卒業したけれども、卒業後、入学前に夢見ていたような仕事は得られず、学費ローンの返済もままならず、借金が雪ダルマ式に増え続けてしまい、本末転倒になってしまったという例は、全く珍しくはありません。
質の高い教育が得られるのなら、利益を得ることを目的とする大学であっても、問題はありません。
要は、そうでない学校も多いと言うことを念頭におくことです。
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Posted by M. Dolan